顕彰会副会長、ブログ担当の折笠公徳が報告致します。
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真田忍者 伊与久松凬(いよくまつかぜ)様。
11月12日(日)、小山田信茂公顕彰会の第八回歴史講演会を開催し、
講師として伊与久松凬様に講演と忍武をお願い致しました。
その経緯は、今年の3月10日(金)~12日(日)四国高知県仁淀川町の
「武田勝頼土佐の会」による講演会「生天目(なばため)の陣」参加と史跡巡り
のため車による弾丸ツアーを実施しました。
その時、パネルデイスカッションがあり、伊与久氏は講演と忍武をされました。
それは素晴らしいものがありました。
忍者の末裔ということもあって独特の雰囲気を持った方で魅力的でした。
そして、今般、是非皆さんにも見ていただきたく、我ら小山田信茂顕彰会の講演会
にお招きし、講演と忍武をお願いすることになったわけです。
改めて伊与久松凬様を紹介します。
・経歴:1973年千葉県生まれ、東京学芸大学美術学科卒業。
・家系背景:真田氏旗下の吾妻衆伊与久党の後裔で、泉州伝日月流武術の最後の
伝承者である伊藤貞三氏の孫。
・武術教育:幼少期から武術を学び、高校時代に中国武術を学び始める。
・武術経歴:日本と中国を行き来しながら様々な武術流派を学び、多くの名人と交流。
・現在の活動:太和躰術協会・錬誠館道場の組織者として長野県を中心に活動。
甲賀流伴党の伝統忍術の師範。
・メディア出演:NHK番組「明鏡止水 ~武(ぶ)のKAMIWAZA~」に出演。
詳細
https://webhiden.jp/master/iyoku_matsukaze/
https://ninjack.jp/ninterview-028/
先ず講演は、メリハリのあるたいへん感情を込められてれてわかりやすく、
お話をされました。
話の内容は、我々では到底経験しないであろう、忍者の世界がありました。
正直、びっくりするようなお話もありました。
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講演の概要を紹介致します。
第一章「真田忍者のイメージと実像」
子供たちは「猿飛佐助」や「霧隠才蔵」のような忍者に憧れる。
大人はこれらの忍者像を作り話として片付けるが、真田忍者に関する
伝説や子孫が存在する。
真田幸村に仕えた忍者の実在性については、歴史的な証拠が少ない。
伊与久松凬様は様々な角度から真田忍者問題に迫り、彼らの存在を探る。
第二章「伊与久家と真田忍者」
伊与久松凬様は、真田忍者と繋がりのある家系の出身。
幼い頃から武術を学び、体を鍛える訓練を受けてきた。
祖母との日々の訓練で、身体が強くなり、武術の技術も身につけた。
修験者の厳しい修行を受け、自然環境の中で受け身を取るなどの訓練を経験。
第三章「甲陽兵法とその伝承者たち」
伊与久松凬様が学んだのは、武田信玄に由来する甲陽兵法。
甲陽兵法を継承する真田家では、忍者のような実動部隊が活動していた。
伊与久松凬様の祖母や修験者たちは、甲陽兵法の最後の継承者かもしれない。
兵法の訓練は、忍者伝説の根底にある活動とされる。
第四章「真田忍者の研究と伝承の未来」
大河ドラマ「真田丸」の放映により、真田忍者への関心が高まる。
伊与久松凬様は「真田忍者研究会」を設立し、研究活動を始める。
歴史的な調査と、武道としての忍術の研究を進めていく。
真田忍者の実在性を明らかにし、その教訓を次世代に伝えることを目指す。
講演の後、忍武の実演がありました。
びっくりしたのは、お箸を投げて標的に刺すことです。
聴講者の多くの方々も実際にやってみて、たいへん盛り上がりました。
伊与久松凬様の演出はさすがですね。
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それでは感想です。
伊与久松凬様の武術と忍術への深い関わりとそれを支える家系と歴史的背景に
感銘を受けました。
真田忍者の存在と彼らの武術、特に「甲陽兵法」に関する詳細な記述は
学問的な興味をそそります。
おばあさまとの稽古や修行の個人的な体験談は文化伝承の生きた証として
非常に価値があると思いました。
忍術や武術が、ただの戦闘技術でなく、身体を鍛え、精神を高める生き方
として語られている点がとても印象的でした。
歴史的な忍者のイメージと現実の武士としての忍者の役割の違いについての
考察は興味深いものがありました。
おばあ様から受け継いだ秘伝や、その実践的な指導が現代にどのように
活かされているのか、その適用例についてもっと知りたいと思いました。
忍術の技術や理論だけでなく、その精神性や哲学に触れられている点が、
忍術に対する理解を深めるのに役立つと感じました。
最終章で触れられている「これからの展望」は、伊与久様の歴史的研究と実践が
今後どのように進化していくのか、大きな期待を抱きました。
以上、今まで経験したことのない忍者の世界を知ることができました。
今後、さらに深い交流を深めていきたいと思います。
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伊与久様
素晴らしいご講演・演武、ありがとうございました。
次回も是非、お出かけいただきたく思いました。そして、精神性という部分も含めて、忍者の世界を「子供達」に教えていただきたいと強く思いました。
手裏剣投げ、箸(棒手裏剣変わり)投げ、テレビのようにはとても上手くいきません。やはり、普段からの地道な訓練ではなく、鍛錬が大事であると身体が感じました。また、お椀を頭頂へ乗せての身体の身のこなし、素晴らしいと思うと共に練習が大事であるとつくづく思いました。また、熱いお話しを是非とも聞きたいと感じられた方々が、相当数いる事も感じました。なぜなら、解散致します、の司会者の声がかかったにも拘わらず、会場の皆様、じっと伊与久様の方を向いておられた光景が、脳裡を離れません。本当にありがとうございました。