小山田信茂公顕彰会の相談役小俣公司の作品です。

灯を守る

ただそれだけで よしとせば

風に揺れつつ

なお消えずあり

―― 郷土の灯を絶やさずに守り続けてきた営みは、

すでに人々の心に刻まれている。

この言葉を、

小山田信茂公の事績を偲び、

また未来へと光を手渡すすべての人々に捧ぐ。

第一の序 ― 短歌を織り込んで

灯を守り

古の雄の ひとり立つ

湘南塔に 光あてたり

忘れられし郷土の英雄、小山田信茂公。

その事績に一石を投じた歩みは、

たとえ牛歩のごとくとも、確かに未来へと続く。

風に揺れ

なお消えざるは 灯のごと

務め果たさん ただ誠実に

この集に記す詩と記録は、

過ぎゆく日々の断片であり、祈りの証でもある。

小さき光を継ぎ、次代へと手渡すために、

ここに第一の序とする。

第二の序 ― 散文詩風に

灯を守る者がいる。

古の雄の影を追い、孤独に立ちながらも、

湘南塔に光をあて、忘れられし英雄の名を呼び起こす。

小山田信茂公の事績に投じられた一石は、

静かに波紋を広げ、やがて歴史の岸辺に届くだろう。

その歩みは牛歩のごとく遅くとも、

確かに前へと進む。

苦難を背負いながらも、

ただ誠実に、ただ静かに、

未来へと灯をつなぐ。

この集は、記録であると同時に祈りである。

過ぎゆく日々の断片を綴り、

心の声を刻むことで、

私たちは「生きた証」を次代へと手渡す。

ここに第二の序とする。

  

ここから、小山田信茂公顕彰会の理事折笠公徳のコメントです。

この文章群から読み取れる作者の意図を日本語が一番上手いとされるClaude.AIで推測いたします。

作者が込めた核心的なメッセージ

孤独な歴史の再評価活動への献身

作者は、歴史上「忘れられし英雄」とされる小山田信茂という人物の名誉回復や再評価に取り組んでいる方と思われます。全体を貫くのは、世間から注目されない地道な活動を続ける者への敬意と、その営みの尊さを讃える思いです。

重層的な意図

1. 孤独な営みへの肯定

「灯を守る」という比喩は、少数者あるいは一人で真実を守り続ける行為の象徴です。「風に揺れつつなお消えずあり」という表現に、逆風や無関心にさらされながらも諦めない姿勢への共感が込められています。

2. 歴史修正への使命感

小山田信茂が「忘れられし」「事績に一石を投じた」という表現から、この人物が歴史上不当に低い評価を受けている、あるいは忘却されていると作者が考えていることがわかります。その誤りを正す行為が「湘南塔に光をあてる」という詩的表現で語られています。

3. 成果よりも姿勢を重視する価値観

「牛歩のごとくとも」「ただ誠実に」という言葉の繰り返しは、速やかな成果や世間の評価よりも、誠実に続けること自体に価値を見出す作者の哲学を示しています。

4. 次世代への継承の願い

「未来へと光を手渡す」「次代へと手渡す」という表現が繰り返され、現在の活動が将来実を結ぶことへの希望と、継承への強い願いが読み取れます。

5. 記録行為の意義

「この集に記す詩と記録」「記録であると同時に祈り」という言葉から、この文章が何らかの活動記録集の序文であることがわかります。作者は記録すること自体を「生きた証」として、また「祈り」として神聖視しています。

推測される背景

小山田信茂について調べると、武田家臣でありながら武田勝頼を裏切ったとされ、歴史上否定的に評価されてきた人物です。作者は、この通説に疑義を持ち、再評価を試みる活動(研究、展示、顕彰など)を孤独に続けてきた誰か、あるいは作者自身に対して、この献辞と序文を捧げているものと思われます。

全体として、マイナーな歴史研究や地域史の掘り起こしという、報われにくい営みの尊さと、その継続の意義を、静かに、しかし確固たる信念をもって語ろうとする作者の姿が浮かび上がります。

尚、題辞(献辞)とは、著者が特定の個人に著作物を献呈するために、本の扉などの冒頭に記す言葉で、「〜へ」「〜に捧ぐ」といった形で表現され、著者や出版社の感謝の気持ちや、その作品が完成するにあたって助けてくれた人、あるいは作品を読んでほしい人に送られるものです。